【ベトジャン】完全ガイド|歴史・古着の魅力からブランド別おすすめとコーデ術まで解説!

ベトジャンってなに?
歴史や魅力、おすすめブランドについて知りたい!
このような方におすすめの記事です。
ベトジャンの世界へようこそ。米兵がお土産として持ち帰った刺繍入りジャケットとして誕生したベトジャンは、独特のデザインと歴史を持ち、古着や復刻ブランドでも高い人気を誇ります。
この記事では、その成り立ちやディティール、刺繍の意味、そしてコーディネートでの楽しみ方まで、ベトジャンの魅力を余すところなく紹介していきます。
ベトジャンとは
ベトジャンは「vietnam souvenir jacket」の略称で、ベトナム戦争時に駐留していた米兵が現地の仕立て屋に注文し、お土産として持ち帰った刺繍入りジャケットが起源です。いわゆる「スーベニアジャケット」の一種で、背中には虎や龍、ベトナム地図、スローガンなどが大胆に刺繍されました。これらのモチーフには勇敢さや魔除け、戦地での記憶といった意味が込められ、一点ごとに異なるデザインが存在するのも大きな魅力です。
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ベトジャンの歴史と魅力
ベトジャン(vietnam souvenir jacket)は、ベトナム戦争時に米兵が現地で作らせた刺繍入りジャケットが起源。寝袋やパラシュートの生地を使い、駐留地の地名や虎、戦地の記憶を刺繍した一点物として作られました。古着や復刻でも人気が高く、歴史的背景や独特のデザインが今なお魅力です。
ディティール(形や生地)
オリジナルのベトジャンは、寝袋やパラシュートのナイロン生地をリメイクして作られています。襟付きのセットインスリーブで、ゆったりとした身幅、リブ付きの袖口や裾、ジッパー仕様など、米軍の作業着としての機能性も残したデザインです。生地や縫製の粗さも一点物としての味わいになっており、古着市場で評価されるポイントのひとつです。
柄や刺繍
ベトジャンの大きな特徴は背中や胸に施された刺繍。虎や龍、ベトナム地図、地名(HANOIなど)、戦争に関連するメッセージ、さらには「福」といった文字まで多彩です。刺繍は一点ごとに異なり、立体感や色の経年変化も楽しめるため、ヴィンテージとしての価値も高くなっています。こうした独自のモチーフが、古着やアメカジファッションでの人気の理由です。
ベトジャンのコーデ
ベトジャンは存在感のある刺繍やデザインが特徴的ですが、意外とシンプルなアイテムと合わせることでバランスが取りやすくなります。定番のパンツと組み合わせるだけで雰囲気が変わるので、ここではチノパンとデニムを使った王道コーデを紹介します。
チノパンと合わせたコーデ
ベトジャンと相性抜群なのがチノパン。ベトジャンの刺繍やカラーが主役になるので、パンツは無地のベージュやカーキを選ぶのがおすすめです。足元はローファーやスニーカーで軽快にまとめると、アメカジらしさの中に品のあるスタイルに仕上がります。ミリタリー要素のあるベトジャンをうまく中和し、カジュアル過ぎない大人の着こなしが楽しめます。
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デニムと合わせたコーデ
もう一つの定番はデニム。色落ちしたジーンズと合わせると、ベトジャンのヴィンテージ感が一層引き立ちます。濃紺のデニムなら全体を引き締めて落ち着いた印象に、淡いブルーのデニムなら抜け感のあるラフな着こなしに。足元はブーツやレザーシューズを合わせると無骨で男らしい雰囲気になり、スニーカーなら軽快でストリート感のあるスタイルに仕上がります。
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おすすめブランドのベトジャン
ベトジャンは古着のオリジナルはもちろん、復刻や現行ブランドからも多くリリースされています。ブランドごとに特徴があり、選び方によって雰囲気や着こなしの幅も大きく変わります。ここでは代表的なおすすめブランドを紹介します。
テーラー東洋(TAILOR TOYO)
ベトジャンといえば外せないのがテーラー東洋。スカジャンやスーベニアジャケットを長年手がけてきたブランドで、当時の資料をもとにした忠実な復刻モデルが人気です。刺繍の再現度や生地の雰囲気が高く評価されており、初めてベトジャンを手に入れる人にもおすすめ。
ヒューストン(HOUSTON)
ミリタリーウェアで知られるヒューストンも、ベトジャンを展開しています。厚みのある別珍やキルティング生地を使ったモデルが多く、リアルな雰囲気を味わいつつ、価格も比較的手に取りやすいのが魅力です。タフに着られる一着を探している人に向いています。
アヴィレックス(AVIREX)
フライトジャケットで有名なアヴィレックスもベトジャンをリリースしています。ミリタリーブランドらしい重厚感ある仕立てと、都会的で着やすいシルエットが特徴。無骨さとファッション性を両立させたい人にぴったりです。
本物とヴィンテージの見分け方
ベトジャンは15年に及んだベトナム戦争の中で数多く作られたため、時代や土地、仕立て屋によって仕様がバラバラです。ただ、王道のディテールを押さえておけば、本物とリプロダクトやフェイクの違いを見分けるヒントになります。ここでは典型的な特徴を紹介していきましょう。
ベトナムの地図やスローガン
もっとも代表的なのは背中いっぱいに縫い付けられたベトナムの地図。ハノイやサイゴンなどの都市名や、駐留していた年号、時には「WHEN I DIE I’M GOING TO HEAVEN…」のような皮肉めいたスローガンが加えられることもあります。虎や龍、「福」の文字といった東洋的なモチーフが組み合わさることで、独特の迫力を持つデザインになっています。
糸と刺繍の雰囲気
刺繍は太めでマットな糸が使われることが多く、現地の職人が手回しミシンで仕上げたため、不均一で荒さのあるステッチが特徴です。線がまっすぐではなかったり、糸の太さが微妙に揺れていたりするのが逆にリアル。コンピュータ刺繍で均一に仕上げられた現代のコピーとは、この“荒っぽい温かみ”で差が出ます。
生地の種類
素材は大きく二つの系統に分かれます。ひとつはコットンツイルの表地にサテン裏地を組み合わせたシャツ型。もうひとつは米軍のポンチョライナー(いわゆるウービー)を仕立て直したキルティング型です。さらに寝袋やパラシュートなどの軍物生地を再利用した例もあり、どれも戦場の空気をそのまま閉じ込めたようなリアリティがあります。
ジッパーの刻印
ジッパーは本物と復刻を見分けるうえで意外と重要なポイントです。ベトジャンでよく見られるのは「KKV」という刻印。これについてははっきりとした資料がなく、「VはVietnamを意味するのでは?」という説や、当時のローカルメーカーの印ではないかという説があります。どれも決定的ではないのですが、ベトナム製らしい“味わい”を象徴するディテールとして古着好きには知られています。
一方で、日本の「YKK」ジッパーが使われた例も少なくありません。戦争中からすでにYKKは世界へ輸出しており、ベトナムの仕立て屋が入手して縫い付けたと考えられています。そのため「KKVもYKKもどちらも本物に存在する」と覚えておくとよいでしょう。
袖口のボタン
シャツ型のベトジャンにはカフスが付き、そこに取り付けられるボタンにも特徴があります。猫目(キャッツアイ)と呼ばれる中央に溝のあるタイプや、当時の軍物でよく使われた尿素ボタンが見られます。ただしボタンは壊れやすく付け替えも多いので、あくまで参考程度に見るのがよいでしょう。
裏地の色
裏地は白やシルバーといった淡い色合いが多く採用されています。長年の着用や洗濯で黄ばんだり、アイボリーに変色していたりするのもヴィンテージらしい魅力です。
まとめ|ベトジャンの魅力
ベトジャンは単なる古着ではなく、ベトナム戦争の歴史や米兵の思いが詰まった特別な一着です。刺繍や生地のディテールは一点ごとに違い、着るだけで独自のストーリーを感じられます。ヴィンテージも復刻も、今なお多くの人を魅了するのは、その唯一無二の存在感があるからです。

ベトジャンを着ると、歴史とファッションを同時に楽しめます。